109I65

32歳の男性。急に身体に力が入らなくなったため救急搬送された。過去にも2、3度似たようなエピソードがあったが自然軽快したためそのままにしていた。意識は清明。脈拍84/分、整。血圧200/110mmHg。呼吸数16/分。近位筋に強い全身筋力低下があり起きあがれない。体型はやや女性的で、幼いころは女児とよく間違われたという。血液生化学所見:Na 146mEq/L、K 1.8mEq/L、Cl 104mEq/L。動脈血ガス分析(room air):pH 7.53、PaCO2 43Torr、PaO2 87Torr、HCO3 35mEq/L。カリウム含有の補液治療を受け、動けるようになった。
最も考えられるのはどれか。
Basedow病
Klinefelter症候群
アンドロゲン不応症
原発性アルドステロン症
先天性副腎皮質過形成(17α-hydroxylase欠損症)

解答: e

109I65の解説

脱力エピソードを反復する32歳男性。体型はやや女性的とのことで、アンドロゲン低下が予想される。また、低カリウム血症があり、これによる周期性四肢麻痺が原因の脱力であろう。17α-OHlaseの欠損により、ミネラルコルチコイド過剰となり(→低カリウム血症)、アンドロゲンが低下(→女性化)した病態が考えやすい。
a・d 女性化をみない。
b・c 低カリウム血症をみない。
e 正しい。上記の通り。

正答率:68%

テーマ:先天性副腎皮質過形成症(17α-水酸化酵素欠損症)の診断

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