109I64

1歳1か月の男児。体重増加不良、筋力低下および発達の遅れから先天代謝異常が疑われ精査のため母親に連れられて来院した。寝返りはできず、呼吸器感染症を繰り返している。血清セルロプラスミン値は低値である。
身体所見で認められるのはどれか。
肝脾腫
頭囲拡大
毛髪の異常
Kayser-Fleischer輪
桜実紅斑〈cherry-red spot〉

解答: c

109I64の解説

Menkes病を知っていたか否か、が勝負の分かれ目であろう。以下の基本事項をまず確認されたい。
   *  *  *
Menkes病
【原因】ATP-7A遺伝子欠損
【病態】細胞内の銅輸送が障害され、腸管からの銅吸収が低下する。
【症候】体重増加不良、精神運動発達遅滞、筋緊張低下、kinky hair(ちぢれ毛)
    ※母体由来の銅が欠乏しだす生後数か月から症状出現。
【検査】血清銅低下、血清セルロプラスミン低下、尿中銅排泄低下
【治療】銅の皮下注射(対症療法)
【合併】易感染性(尿路感染・呼吸器感染)、血管蛇行による血管壁脆弱(→硬膜下出血・膀胱出血)、骨粗鬆症(→骨折)
   *  *  *

a・d Wilson病でみる。Wilson病でも血清セルロプラスミン値が低値となるが、筋力低下や感染症の反復などはみない。また、Wilson病は3歳以降に発症する。
b グルタル酸血症1型でみる。グルタル酸血症1型でも筋力低下をみるも、その他に錐体外路症状などが出現する。
c 正しい。Menkes病にてkinky hair(ちぢれ毛)をみる。
e Tay-Sachs病やNiemann-Pick病、網膜中心動脈閉塞症でみられる眼底所見である。


テーマ:Menkes病

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