109I47

60歳の男性。舌の痛みを主訴に来院した。3か月前から舌右縁から口腔底にかけて疼痛が続いており改善しないため受診した。疼痛の部位に粘膜不整を認め、生検で扁平上皮癌の病理診断であった。頸部リンパ節転移や遠隔転移を認めない。口腔内の写真(A、B)、頭頸部造影MRIの脂肪抑制T1強調像(C)および頭頸部PET/CTの冠状断像(D)を別に示す。
最も適切な治療法はどれか。
放射線治療
舌全摘出術
抗癌化学療法
レーザー蒸散術
舌・口腔底切除術

解答: e

109I47の解説

舌縁部〜口腔底にかけて潰瘍があり(画像A, B)、MRI(画像C)・PET(画像D)でも同部位に病変がみられる。舌癌・口腔癌の診断。
a 放射線科の問題で舌癌が密封小線源治療の適応になる、という出題があるため(99D112など;末尾に添付しておく)、本選択肢を選びたくなる気持ちも分かる。が、「転移がない」という記載より、第一選択としてはopeを選びたい。
b PETから分かるように片側病変であり、全摘までは不要と考える。
c・d 現時点では一般的な治療とはいえない。
e 正しい。病変部位のみの切除を行い、機能温存を図る。

【参考】
(99D112) 
 密封小線源治療の適応でないのはどれか。 
 a 舌 癌  
 b 食道癌  
 c 胆嚢癌  
 d 前立腺癌  
 e 子宮頸癌

正答率:72%

テーマ:舌癌の治療法

フォーラムへ投稿

関連トピック