109G55

33歳の初産婦。妊娠41週0日。陣痛発来のため入院した。入院後、陣痛は次第に増強し、陣痛発来後16時間で2,630gの女児を正常経腟分娩した。児娩出後15分で胎盤を自然娩出した。第2度会陰裂傷に対し縫合を行った。産褥1日、周期的に下腹部痛があり排尿時に裂傷部に違和感があるという。また分娩後から排便がなく心配だという。意識は清明。体温37.2℃。脈拍80/分、整。血圧100/76mmHg。子宮底は臍下1cmで硬である。両下肢に浮腫を認めるが、発赤や圧痛はない。乳房緊満感を認めない。内診で子宮に圧痛はなく、悪露は赤色である。会陰裂傷の創部はやや浮腫状だが、圧痛はない。
説明として正しいのはどれか。
「排尿の異常があるので調べましょう」
「足の静脈の血栓症の疑いがあるので調べましょう」
「排便が遅れているので便を軟らかくする薬を処方します」
「おっぱいが張っていないのでホルモン検査をしましょう」
「下腹部の痛みは子宮収縮による後陣痛なので心配ありません」

解答: e

109G55の解説

産褥1日目に下腹部痛と排尿時違和感がみられている。下腹部痛は周期的であることがポイントであり、これは後陣痛と考えられる。会陰裂傷に対して縫合を行っており、排尿時違和感も存在して問題ない。正常な経過と言える。
a・c 分娩による圧迫や、痛みが残ることにより排尿・排便障害が見られることは多々ある。
b 下肢に発赤や圧痛がなく、否定的。
d 乳房緊満は産褥3日ごろからみられる。
e 正しい。後陣痛であり、正常産褥婦である。

正答率:88%

テーマ:産褥期の正常と異常との見極め

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