109E64

検査所見:血液所見:赤血球243万、Hb 5.4g/dL、Ht 22%、白血球8,400、血小板12万。血液生化学所見:AST 56U/L、ALT 42U/L、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン1.4mg/dL。CRP 5.2mg/dL。
この患者に、まず赤血球濃厚液4単位を輸血した場合のHb(g/dL)として最も考えられるのはどれか。
なお、患者の体重は60kg、輸血に使用した血液のHbは1単位28g、循環血液量は体重の7%とし、さらなる失血と輸液の影響は考慮しないものとする。
7
8
9
10
11

解答: b

109E64の解説

今現在患者のもっているHb:60×0.07×10×5.4=226.8g。 
 ※10をかけているのは、dL→Lへの補正。
 ※5択なので、以下、計算の簡便性から、226.8→228と近似する。
投与する赤血球内のHb:28×4=112g。
投与後のHb:228+112=340g。
以上より、求める値は、340g÷(60×0.07×10)dL=340÷42g/dL=8.0952…。ゆえにbが正しい。

もっとアバウトに近似して、60×0.07×10×5.4≒42×5=210g……(A)
28×4≒30×4=120g……(B)
(210+120)÷42=330÷42≒8と暗算でも算出可能。
(A)で5.4→5と小さく近似したため、バランスをとるため(B)では28→30と大きく近似している。5択の計算問題で、選択肢同士が離れている場合、近似をうまく活用して、時間短縮を狙える。

一般的に2単位の輸血でHbが1上昇する、という有名事項があり、それを用いれば、5.4+2=7.4くらいに上昇するのではないか、すなわちaかbが正解ではないか、と事前に当たりをつけることもできる。が、今回のケースでは7.4を四捨五入すると、7となってしまい、誤答となるので注意。もともとのHbが低すぎるため、1単位あたりの輸血の効果が強力に現れていると解釈できる。

正答率:76%

テーマ:【長文2/3】輸血後のHb値の算出(計算問題)

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