109D43

9歳の女児。歩行時の下肢痛を主訴に母親に連れられて来院した。1か月前から歩行時に両大腿から股関節部に疼痛があるため受診した。Down症候群がある。股関節の変形障害に対し手術予定となった。術前検査として撮影した頸椎エックス線写真(A、B、C)を別に示す。
所見として正しいのはどれか。
頸椎椎間板ヘルニア
環軸関節亜脱臼
後縦靱帯骨化症
黄色靱帯骨化症
頸椎症

解答: b

109D43の解説

Down症候群では股関節脱臼など股関節障害をともないやすい。そのための歩行時の下肢痛であろう。が、本問はそれとは別の話で頸部の所見について問われている。画像Aでは特に異常を指摘できないが、画像B, Cにて環椎(第1頸椎)の歯突起と前弓の距離(atlantodental interal〈ADI〉と呼ばれる)が開大しており、環軸椎亜脱臼の存在が考えられる。Down症候群に環軸椎亜脱臼を合併しやすい、という知識は108G12で出題があった。本問はそれを受けた臨床問題と考えられる。
a・c~e 特にDown症候群に合併しやすい疾患でもなければ、画像上も指摘できない。
b 正しい。上記の通り。

正答率:96%

テーマ:Down症候群〈21トリソミー〉にみられた環軸関節亜脱臼の診断

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