109D37

43歳の女性。3回経妊2回経産婦。不正性器出血と腰痛とを主訴に来院した。月経周期は28日型。2か月前から不正性器出血と腰痛とが出現したため受診した。腟鏡診で子宮腟部にカリフラワー状で易出血性の腫瘤を認める。内診で子宮頸部から右側骨盤壁に連続する硬結を触知する。血液所見:赤血球350万、Hb 11.0g/dL、Ht 30%、白血球9,000、血小板42万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、クレアチニン0.9mg/dL、AST 32U/L、ALT 30U/L、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 104mEq/L。子宮腟部生検の組織診では扁平上皮癌である。全身検索で遠隔転移を認めない。造影剤静注の10分後の静脈性尿路造影像を別に示す。
最も適切な治療法はどれか。
手術
免疫療法
放射線治療
抗癌化学療法
化学放射線療法

解答: e

109D37の解説

腟鏡診で子宮腟部にカリフラワー状で易出血性の腫瘤を認めている。子宮腟部生検の組織診では扁平上皮癌であったとのことで、子宮頸癌の診断はついている。遠隔転移はないが、骨盤壁には到達している、とのことでIII期である。右の尿管が画像にて描出されておらず、対する左尿管は膀胱まで造影されている。また、膀胱も左に偏位して存在する。このことから右腎〜尿管への腫瘍浸潤が考えやすい(IIIB期)。
a 手術適応となるのはII期まで。
b 一般的に子宮頸癌に免疫療法は無効。
c・d これら単独ではなく、併用して治療にあたる。 
e 正しい。この段階では手術適応はなく、化学放射線療法が有効。

正答率:63%

テーマ:子宮頸癌の治療

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