109D22

生後1時間の新生児。在胎32週に骨盤位で陣痛発来のため帝王切開にて出生。羊水混濁はなかった。出生体重1,496g。Apgarスコアは6点(1分)、8点(5分)。出生後、第1呼吸を認めたが、蘇生台にて処置中に浅い呼吸を認めるようになり、NICUに入院し哺育器に収容した。体温36.5℃。脈拍148/分、整。呼吸数90/分、整。SpO2 97%(哺育器内の酸素濃度30%)。心音に異常を認めない。呼吸音は左右差なく肺胞呼吸音を聴取する。胸骨上窩と季肋下とに陥没呼吸を認める。胃液に白血球を認めず、マイクロバブルテストの結果は強陽性である。胸部エックス線写真を別に示す。
考えられる疾患はどれか。
肺低形成
先天性肺炎
一過性多呼吸
胎便吸引症候群
呼吸窮迫症候群

解答: c

109D22の解説

出生体重が1,500gを割っており、極低出生体重児である。胸部エックス線では特別な異常はみとめない。本文中から1つ1つ絞っていける良問。
a 胸部エックス線では肺がしっかり広がっているため、否定的。
b 発熱もなく、胃液に白血球を認めていないため否定的。
c 正しい。産道を通過しない帝王切開児に多いとされる。肺胞液が吸収されていないのが原因で、生後24時間以内に起こる。
d 過期産児にみる。
e マイクロバブルテストの結果より否定的。

正答率:58%

テーマ:一過性多呼吸の診断

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