109C20

40歳の男性。喀痰、咳嗽および微熱を主訴に来院した。2か月前から喀痰と咳嗽とを自覚していたが徐々に増加し、微熱が出現し寝汗をかくようになったため受診した。5年前に糖尿病を指摘されたがそのままにしていた。身長174cm、体重90kg。体温37.1℃。脈拍72/分。血圧138/88mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98%(room air)。血液所見:赤血球532万、Hb 16.0g/dL、Ht 46%、白血球7,300、血小板24万。血液生化学所見:血糖320mg/dL、HbA1c 13.0%(基準4.6〜6.2)。CRP 2.1mg/dL。胸部エックス線写真を別に示す。
次に行うべき検査はどれか。
胸部MRI
FDG-PET
呼吸機能検査
喀痰塗抹検査
気管支内視鏡検査

解答: d

109C20の解説

5年前より糖尿病を指摘されており、血糖320mg/dL・HbA1c 13.0%とコントロールが悪い。糖尿病患者は易感染性となるため、感染症への罹患を考える。2か月前からの発症であり、咳嗽や寝汗がみられている。また、白血球上昇がみられないため、結核の可能性を視野に入れたい。胸部エックス線では明確な空洞形成は指摘できないが、全体的に淡い浸潤影がみられている。
a 肺をより明瞭に観察できるが、時間もかかるためdに正答をゆずる。
b 悪性腫瘍の転移を考えた場合に行う。
c 閉塞性障害や拘束性障害の判別に実施する。呼吸状態の悪い患者には施行できない。
d 正しい。迅速に行うことができ、患者の隔離の指標となる。
e 中枢型の肺癌を考えた場合に行う。

正答率:91%

テーマ:肺結核の検査

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