109A43

23歳の女性。卵巣嚢腫の精査を目的に来院した。月経は28日型、整。2週前の職場の健康診断で腹部超音波検査を受け右卵巣嚢腫を指摘された。自覚症状はない。内診で径5cmの軟らかい右付属器腫瘤を触知し、可動性は良好で圧痛を認めない。右卵巣の経腟超音波像を別に示す。
この腫瘤への対応として最も適切なのはどれか。
骨盤部CT
右付属器摘出
嚢胞穿刺吸引
GnRHアゴニスト療法
経過観察(3か月後の再診)

解答: e

109A43の解説

卵巣嚢腫の診断は既についている。画像でも内部均一な嚢胞がみられており、悪性腫瘍は否定的。原因は不明であるが、現時点で自覚症状はなく、自然消退するケースが多い。
a 悪性腫瘍を疑った場合、広がりや転移の有無をみるために行う。
b 悪性腫瘍と確定された場合、手術を行うこともある。
c 自然消退が期待できる以上、侵襲的な治療は避けたい。
d 子宮内膜症が原因となる卵巣嚢腫もあり、その場合はGnRHアゴニスト療法が有効だが、少なくとも現時点では経過観察でよい。
e 正しい。上記の通り。カッコつきで、「3か月後の再診」と書いているところに出題者の保険を感じさせる。

正答率:78%

テーマ:卵巣嚢腫への対応

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