109A42

73歳の男性。排尿困難を主訴に来院した。2年前から尿線が細いことに気付いていたが年齢のためと考えていた。3か月前から排尿困難を伴うようになったため受診した。直腸指診で鶏卵大、石様硬の前立腺を触知する。PSA 45ng/mL(基準4.0以下)。前立腺針生検で中分化腺癌(Gleason score 4+3)と病理診断された。骨シンチグラフィで多発骨転移を認める。
まず行う治療として適切なのはどれか。
放射線治療
ホルモン療法
抗癌化学療法
前立腺全摘除術
分子標的薬投与

解答: b

109A42の解説

前立腺癌の多発骨転移と診断は既についている。
a 前立腺に限局する場合、密封小線源療法が有効。
b 正しい。骨転移を認めた場合、ホルモン療法が適応となる。
c ホルモン療法抵抗性の場合、抗癌化学療法が使用されることはある。
d すでに転移があり、全摘は無効。
e 前立腺癌に対する分子標的薬は現在開発中であり、109回国家試験施行時点では有用なものがない。

正答率:70%

テーマ:前立腺癌(中分化腺癌)の治療

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