109A32

78歳の男性。全身倦怠感とめまいとを主訴に来院した。65歳時から高血圧症と糖尿病で、5年前から発作性心房細動で内服治療中である。2か月前から時々目の前が暗くなることがあった。1週前から全身倦怠感とめまいとが出現したため受診した。身長164cm、体重58kg。脈拍32/分、整。血圧138/80mmHg。呼吸数20/分。心尖拍動を鎖骨中線から2cm外側に触知する。I音の強さは一定しない。下腿に著明な浮腫を認める。4か月前と本日の心電図(A、B)を別に示す。
全身倦怠感とめまいの原因として正しいのはどれか。
洞不全症候群
心室期外収縮
発作性心房細動
完全右脚ブロック
完全房室ブロック

解答: e

109A32の解説

脈拍32/分より徐脈性疾患を考える。画像Aは洞調律だが厳密にみるとPR間隔が0.2秒を微妙に超えており、房室伝導が遅延している所見がこのときからみられていた。画像BではPP間隔が整、RR間隔が整にも関わらずPR間隔が不整となっており完全房室ブロックの診断となる。
a 重症の洞不全症候群〈SSS〉ではP波をみとめない。
b 心室期外収縮ではwide QRSをみる。
c 脈拍は整であり、考えにくい。
d 画像AではV1, V2誘導より完全右脚ブロック〈RBBB〉がみられている。が、設問が「全身倦怠感とめまいの原因」とあることから、否定的(RBBB単独では病的意義はなく、むろん症状も呈さない)。
e 正しい。上記の通り。

正答率:63%

テーマ:完全房室ブロックの診断

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