108I78

28歳の女性。激しい頭痛を主訴に来院した。3日前から発熱とともに前頭部痛が生じ、次第に増強してきた。今朝はさらに高熱となり少しぼんやりしていた。意識レベルはJCS II-10。体温40.2℃。脈拍140/分、整。血圧126/72mmHg。項部硬直とKernig徴候とを認める。対光反射、眼球運動、四肢の運動および腱反射に異常なく、Babinski徴候も認めない。血液所見:赤血球380万、Hb 12.0g/dL、Ht 38%、白血球16,000(桿状核好中球18%、分葉核好中球62%、単球4%、リンパ球16%)、血小板18万。CRP 26mg/dL。頭部単純CTで異常を認めなかったので腰椎穿刺を行った。脳脊髄液所見:初圧240mmH2O(基準70~170)、外観は淡黄白色に混濁、細胞数5,600/mm3(基準0~2)(多形核球100%)、蛋白230mg/dL(基準15~45)、糖8mg/dL(基準50~75)。脳脊髄液のGram染色でGram陽性双球菌が見られた。
治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ
メロペネム
アシクロビル
カナマイシン
アムホテリシンB
副腎皮質ステロイド

解答: a,e

108I78の解説

項部硬直とKernig徴候とを認めており、髄膜炎である。髄液中の細胞数増加を認め、多形核球が100%であることから、細菌性髄膜炎が考えられる。Gram染色でGram陽性双球菌が見られたことから、起炎菌は肺炎球菌であろう。
a 正しい。カルバペネム系抗菌薬であり、細菌性髄膜炎に有効。
b アシクロビルは抗ヘルペス薬である。
c カナマイシンはアミノグリコシド系抗菌薬。結核性髄膜炎では有効。
d アムホテリシンBは抗真菌薬である。
e 正しい。感染症に対して副腎皮質ステロイドを用いるのはいささか抵抗があるも、抗菌薬との併用で予後改善効果があることが証明されている。

正答率:67%

テーマ:化膿性髄膜炎(肺炎球菌性髄膜炎)の治療薬

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