108I68

52歳の男性。排尿困難を主訴に来院した。6か月前から夜間に尿意で目が覚めるようになった。1か月前から頻尿となり、2週前から排尿の開始までに時間がかかることを自覚している。身長172cm、体重68kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧134/82mmHg。呼吸数12/分。腹部は平坦、軟。直腸指診で小鶏卵大で弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球1~4/1視野、白血球1~4/1視野。血液生化学所見:PSA 2.8ng/mL(基準4.0以下)。国際前立腺症状スコア18点(軽症0~7点、中等症8~19点、重症20~35点)。腹部超音波像(A、B)を別に示す。前立腺体積は46ml、残尿量は80mlであった。
まず行う対応として適切なのはどれか。
経過観察
自己導尿の指導
α1遮断薬の内服
経尿道的前立腺切除術
抗コリンエステラーゼ薬の内服

解答: c

108I68の解説

52歳男性の頻尿と排尿困難。画像A, Bでは前立腺が膀胱内に突出しており、残尿もみられる。国際前立腺症状スコアと合わせ、中等症のBPHと診断される。
a 中等症であり、排尿困難もあることから、経過観察は不可。
b 現時点では時間はかかるも、まだ排尿はできている。自己導尿までは不要と考えられる。
c 正しい。α1遮断薬はBPHに対する薬物療法の第一選択である。
d 重症のBPHに対して行う。106A21が好例。
e アセチルコリンの分解が阻害され、排尿筋の収縮力が増強する。今、BPHにより尿路閉塞があるため、この状況下で排尿筋の収縮力を上げてしまうと、尿閉が悪化しかねない。

正答率:81%

テーマ:中等症の前立腺肥大症〈BPH〉にまず行う対応

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