108I57

68歳の男性。自宅近くの診療所にて胸部エックス線写真の異常を指摘され、詳しい検査を希望して来院した。2、3年前から持続する咳と労作時の息切れを自覚している。感冒をきっかけに自宅近くの診療所で胸部エックス線写真を撮影したところ、異常を指摘された。喫煙は20本/日を30年間。8年前に禁煙した。意識は清明。身長157cm、体重61kg。体温36.5℃。脈拍84/分、整。血圧124/72mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。両側の背下部にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球460万、Hb 14.4g/dL、Ht 45%、白血球7,600、血小板18万。CRP 0.1mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.35、PaCO2 47Torr、PaO2 86Torr、HCO3- 25mEq/L。呼吸機能検査所見:%VC 69%、FEV1% 72%。胸部エックス線写真(A)と肺野条件の胸部単純CT(B)とを別に示す。
血液検査所見として考えられるのはどれか。
KL-6高値
好酸球増多
β-D-グルカン高値
抗GM-CSF抗体陽性
アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉高値

解答: a

108I57の解説

両側の背下部にfine cracklesを聴取しており、%VC 69%と拘束性障害がみられる。画像Aでは両側肺野の網状影を、画像Bでは両側の蜂巣肺を指摘可能。特発性肺線維症の診断となる。
a 正しい。肺線維症ではKL-6が高値となる。
b 好酸球増多は好酸球性肺炎でみる。
c β-D-グルカン高値は真菌感染症でみる。
d 抗GM-CSF抗体陽性は肺胞蛋白症でみる。
e アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉高値はサルコイドーシスでみる。

正答率:93%

テーマ:特発性肺線維症〈IPF〉の血液検査所見

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