108I56

1歳の男児。発熱、頸部の腫脹および前胸部の皮疹を主訴に母親に連れられて来院した。4日前から38℃台の発熱が続き、今朝から頸部の腫脹と前胸部の紅斑とに気付いた。体温39.3℃。脈拍148/分、整。両側眼球結膜に充血を認める。顔面下部の写真を別に示す。右頸部に径3cmのリンパ節を1個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球406万、Hb 11.2g/dL、Ht 35%、白血球19,600(桿状核好中球9%、分葉核好中球72%、好酸球2%、単球4%、リンパ球13%)、血小板39万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.1g/dL、AST 40U/L、ALT 80U/L。CRP 7.9mg/dL。
初期治療として適切なのはどれか。
血漿交換
抗菌薬の投与
免疫抑制薬の投与
生物学的製剤の投与
免疫グロブリン製剤の投与

解答: e

108I56の解説

(1) 5日以上続く発熱
(2) 両側眼球結膜の充血
(3) 顔面写真での口唇の発赤
(4) 前胸部の紅斑
(5) 頸部リンパ節腫脹
上記5項目は川崎病の診断基準に合致する(頸部リンパ節腫脹は非化膿性である必要があるが特に記載がないため合致するものとみなす)。1歳での発症を合わせ、川崎病の診断となる。なお、四肢末端の変化については記載がないが、基準6項目中5項目を満たせば診断としてよい。
a・c・d 初期治療抵抗例に有効。
b 川崎病は感染症ではない。古くから出題され続けている知識である。
e 正しい。免疫グロブリン製剤の大量投与により冠動脈瘤の発生を予防する。

正答率:82%

テーマ:川崎病の初期治療

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