108I42

13歳の女子。低身長と無月経とを主訴に来院した。周産期に異常はなかった。生来小柄であり、低身長に気付いていたが、精査を受けたことはなかった。初経は発来していない。身長130cm(-3.5SD)、体重23kg(-3.0SD)。体温36.2℃。脈拍80/分、整。血圧104/66mmHg。呼吸数12/分。SpO2 98%(room air)。胸骨右縁第2肋間を最強点とするIII/VIの収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。外反肘を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮膚に皮疹を認めない。陰毛を認めない。乳房は発達していない。尿所見と血液生化学所見とに異常を認めない。胸部エックス線写真に異常を認めない。
この患者の診断や病態に対する検査で重要でないのはどれか。
染色体分析
心エコー検査
血中FSH測定
スパイロメトリー
手エックス線撮影

解答: d

108I42の解説

低身長、原発性無月経、乳房発育未来、外反肘、といったキーワードからTurner症候群が考えられる。胸骨右縁第2肋間を最強点とするⅢ/Ⅵの収縮期雑音は本疾患に合併しやすい大動脈縮窄症を考えさせる。
a Turner症候群では45,XOの型をみる。
b 上記のように、大動脈縮窄の存在が考えられる。心エコーは重要。
c 二次性徴の到来がない。卵巣機能が低下しているためであり、血中ゴナドトロピン(LH ・FSH)は高値を示す。
d 誤り。Turner症候群では、閉塞性障害や拘束性障害といった呼吸器症状をみない。
e 手エックス線撮影は低身長の鑑別に有用。

正答率:93%

テーマ:Turner症候群の診断や病態に関する検査

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