108H37

次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
69歳の女性。発熱を主訴に来院した。
現病歴:2週前から38℃台の発熱が出現し、非ステロイド性抗炎症薬を内服し、解熱と発熱とを繰り返していた。その後、徐々に食欲が減退し、最近1週間は発熱時は39℃を超えるようになった。かかりつけ医で胸部エックス線撮影と尿検査とを行い、異常を指摘されなかった。受診前日に2回軟便があった。咽頭痛、咳、痰および排尿痛はない。
既往歴:高血圧症で治療中。
生活歴:海外渡航歴とペット飼育歴とはない。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。体温38.4℃。脈拍96/分、整。血圧160/66mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。項部硬直を認めない。心尖部にIII/VIの汎〈全〉収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。脊椎棘突起の叩打痛を認めない。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。四肢に浮腫を認めない。経胸壁心エコー検査では僧帽弁の逆流と僧帽弁の疣贅とを認めた。
診断に有用な検査はどれか。
便培養
血液培養
抗核抗体測定
胸部エックス線再検
上部消化管内視鏡検査

解答: b

108H37の解説

「経胸壁心エコー検査では僧帽弁の逆流と僧帽弁の疣贅とを認めた」とあり、ほぼ診断はついている。感染性心内膜炎〈IE〉である。心尖部にⅢ/Ⅵの汎〈全〉収縮期雑音を認めているのは弁破壊による僧帽弁閉鎖不全症〈MR〉。
a 軟便についての記載はダミーであろう。腸炎ではない。
b 正しい。IEでは抗菌薬投与前に必ず血液培養検体を2セット以上採取すべき。
c 抗核抗体測定は免疫疾患を疑った場合に行う。
d 胸部エックス線を再検する意味はない。
e 上部消化管の疾患に行う。

正答率:95%

テーマ:【長文1/2】感染性心内膜炎〈IE〉の診断に有用な検査

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