108G49

28歳の女性。嘔吐と腹痛とを主訴に来院した。「数日前から風邪でおなかをこわしていて食べられない。喉も渇く」と言う。半年前に受けた職場の健康診断で異常はなかった。意識は清明。身長154cm、体重47kg(1か月前は50kg)。体温37.2℃。脈拍100/分、整。血圧102/80mmHg。舌は乾燥している。甲状腺は軽度に腫大しているが結節や圧痛はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。臍から下腹部に軽度の圧痛を認める。尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体3+。
まず考えるべきなのはどれか。
1型糖尿病
2型糖尿病
副腎クリーゼ
甲状腺クリーゼ
アセトン血性嘔吐症

解答: a

108G49の解説

脱水症状が強く、糖とケトン体とが尿中に出ている。糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉を考えたい。DKAでは原因不明だが腹痛がみられることが多い。「半年前に受けた職場の健康診断で異常はなかった」とあり、感染を契機に発症した劇症1型糖尿病由来のDKAが考えやすい。
a 正しい。上記の通り。
b~d これらでは尿中ケトン体が陽性とならない。
e アセトン血性嘔吐症〈周期性嘔吐症〉ではケトン体陽性となるも、これは小児(2~10歳)の疾患である。

正答率:70%

テーマ:1型糖尿病由来の糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の診断

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