108G45

82歳の男性。最近よく転倒することと、頼んだことをよく忘れることを心配した娘に連れられて来院した。脈拍72/分、整。血圧144/84mmHg。礼節は保たれ、時間の見当識障害はない。昨日の夕食のメニューは半分程度しか思い出せないが、今朝家で朝食を済ませて来院したことはよく覚えている。脳神経には異常を認めない。握力は右22kg、左20kgで、Gowers徴候は陰性、Romberg徴候は陰性であった。振動覚は両側外果で10秒。腱反射は両側アキレス腱反射が減弱していることを除き正常。両側Chaddock反射は陽性であった。
この患者で正常な老化とは考えられない所見はどれか。
両側Chaddock反射陽性
握力は右22kg、左20kg
振動覚は両側外果で10秒
両側アキレス腱反射が減弱
昨日の夕食の内容が思い出せない

解答: a

108G45の解説

時代を反映して近年出題の多い、加齢のジャンル。一般問題として1つ1つ検討すれば正答に至る。
a 正しい。Chaddock反射が陽性の場合、錐体路障害が考えられる。「よく転倒する」とあることから、慢性硬膜下血腫の存在などが考えられる。
b 左右差はたった2kgであり、誤差。82歳で握力が20kg前後あれば正常である。
c 加齢により振動覚は低下するが、10秒あれば正常である。
d 加齢により腱反射は減弱する。生理的である。
e 半分は覚えており、朝食については覚えている、とのことで病的とはいえない。

正答率:86%

テーマ:正常な老化所見と異常な老化所見

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