108E53

32歳の初産婦。産褥3日目で入院中である。妊娠38週5日に陣痛発来し、3,200gの女児を経腟分娩した。分娩時間は15時間で、分娩時出血量は250mlであった。本日朝の体温は37.4℃、悪露は赤色で少量であった。昼食後「血の塊が出た」との訴えがあり診察を行った。腹部の皮膚に縦走する多数の白色の線を、両側下腿に浮腫を認めた。子宮底は臍高で柔らかく触知し、腟鏡診で凝血塊を伴う中等量の血性分泌物と子宮口から持続する少量の出血とを認める。
対応として適切なのはどれか。
子宮摘出
止血薬の投与
利尿薬の投与
子宮動脈塞栓術
子宮収縮薬の投与

解答: e

108E53の解説

産褥3日目で凝血塊の流出が認められており、子宮底が臍高と高位に位置することと合わせて弛緩出血と考える。
a・d さまざまな試行錯誤の上、出血が止まらなかった場合の手段である。
b 対症療法に過ぎず、最適な選択肢とはいえない。
c 産褥期に浮腫がみられるのは生理的。利尿薬は不要である。
e 正しい。子宮収縮薬を投与し、止血を試みるべき。

正答率:89%

テーマ:弛緩出血への対応

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