108E52

33歳の1回経妊1回経産婦。妊娠36週。帝王切開術前の検査のため来院した。2週後の妊娠38週に選択的帝王切開術を予定している。これまでの妊婦健康診査では異常は認められなかった。第1子は妊娠39週で分娩停止のため帝王切開術で出生した。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧120/70mmHg。内診で子宮口は閉鎖、Bishopスコアは2点である。両下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球386万、Hb 11.4g/dL、Ht 34%、白血球11,000(桿状核好中球17%、分葉核好中球50%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球25%)、血小板21万、PT 10.0秒(基準10~14)、APTT 28.4秒(基準対照32.2)。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン4.8g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、直接ビリルビン0.3mg/dL、AST 28U/L、ALT 18U/L、LD 270U/L(基準176~353)、ALP 350U/L(基準115~359)、γ-GTP 36U/L(基準8~50)、CK 60U/L(基準30~140)、尿素窒素9mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、尿酸3.5mg/dL、血糖80mg/dL、総コレステロール280mg/dL、トリグリセリド190mg/dL。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。腹部超音波検査で胎児発育は週数相当である。胎児心拍数陣痛図に異常を認めない。
現時点での対応として適切なのはどれか。
経過観察
鉄剤投与
抗菌薬投与
利尿薬投与
HMG-CoA還元酵素阻害薬投与

解答: a

108E52の解説

第一子が帝王切開となったため、第二子も帝王切開を行う予定の妊婦である。臨床文が長いも、特に異常所見はみとめられていない。
a 正しい。経過観察でよい。
b Hbは11.4g/dlあるため、特に鉄剤投与を考慮する局面とはいえない。
c 発熱もなく、細菌感染は考えにくい。
d 両下腿の浮腫は妊娠末期による下大静脈圧迫の所見。水分過剰なわけではなく、利尿薬投与は不要。
e 総コレステロールは非妊婦の基準値を超えているも、妊婦では生理的に総コレステロールが増加することが知られており、特段の処置を必要としない。

正答率:89%

テーマ:帝王切開術前検査での対応

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