65歳の男性。咳と労作時の息切れとを主訴に来院した。1年前に咳嗽と喀痰とを訴え来院し、右下葉の原発性肺癌と診断された。手術適応がなかったため、抗悪性腫瘍薬による化学療法を施行後、根治を目的に放射線治療を行った。照射終了後6週目に、咳嗽と労作時の息切れとを自覚し受診した。喫煙は20本/日を45年間。意識は清明。身長165cm、体重72kg。体温36.5℃。呼吸数16/分。SpO2 84%(room air)。右胸部にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球456万、Hb 13.3g/dL、Ht 40%、白血球10,800(桿状核好中球9%、分葉核好中球67%、好酸球1%、好塩基球1%、単球10%、リンパ球12%)、血小板35万。CRP 9.2mg/dL。胸部エックス線写真(A)と肺野条件の胸部単純CT(B)とを別に示す。
この病態について正しいのはどれか。
発症率は照射総線量に依存しない。
呼吸機能検査では閉塞性障害を呈する。
放射線照射開始直後に発症することが多い。
抗悪性腫瘍薬の併用は、この病態を増強しない。
特発性肺線維症の存在は、発症のリスクファクターである。