108D56

74歳の男性。胸やけを主訴に来院した。1年前から食後に胸やけが出現し、徐々に増悪して夜間に目覚めるようになったため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。意識は清明。身長165cm、体重78kg。脈拍76/分、整。血圧124/80mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。血液所見:赤血球467万、Hb 14.1g/dL、Ht 42%、白血球6,600、血小板29万。血液生化学所見に異常を認めない。上部消化管内視鏡像を別に示す。薬物治療を開始する予定だが、それ以外に患者から生活上の注意について質問された。
生活指導として適切なのはどれか。2つ選べ
「体重を減らしましょう」
「就寝前に軽食を食べましょう」
「食後には横になって休みましょう」
「上半身を少し高くして眠るようにしましょう」
「症状が出たら前かがみの姿勢をとってみましょう」

解答: a,d

108D56の解説

高齢男性の胸やけであり、上部消化管内視鏡像にて下部食道に一部白苔を伴うびらんを認める。胃食道逆流症〈GERD〉が考えやすい。
a 正しい。肥満は胃食道逆流症のリスクとなる。
b 就寝前の飲食は就寝中の胃酸分泌が増加し、病態が悪化する。
c 食直後に横臥位になることは逆流を誘発するため、病態が悪化する。
d 正しい。上半身を少し高くすることで胃酸の逆流を予防できる。
e 前かがみの姿勢は逆流を悪化させる。

正答率:93%

テーマ:胃食道逆流症〈GERD〉(逆流性食道炎)への生活指導

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし