108D44

63歳の女性。筋層浸潤性膀胱癌の精査加療目的で入院中である。入院前に施行した血液検査では異常を認めなかった。膀胱内視鏡検査では、膀胱三角部から膀胱頸部に広がる広基性非乳頭状腫瘍を認め、両側の尿管口は同定できなかった。胸腹部造影CTでは明らかな転移は認めなかった。入院後、全身倦怠感を訴えている。1日尿量は急に低下してきている。緊急に行った血液生化学検査では尿素窒素63mg/dL、クレアチニン5.6mg/dL、K 4.8mEq/Lであった。腹部超音波像(A、B)を別に示す。残尿量は40mLであった。
対応として適切なのはどれか。
血液透析
腎瘻造設術
膀胱全摘術
尿管ステント留置
経尿道的膀胱腫瘍切除術

解答: b

108D44の解説

「膀胱三角部から膀胱頸部に広がる広基性非乳頭状腫瘍を認め、両側の尿管口は同定できなかった」とあり、膀胱癌の尿管口浸潤による両側水腎症がみられていると考えられる(画像A, Bとも水腎症を示している)。
a 尿素窒素63mg/dl、クレアチニン5.6mg/dl、K 4.8mEq/lでは血液透析導入の必要はない。
b 正しい。腎瘻造設により、水腎症を解消する。
c・e 全身状況が悪く、現時点での手術は厳しい。
d 尿管口が確認できておらず。尿管ステントの挿入は不可。

正答率:63%

テーマ:筋層浸潤性膀胱癌への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし