108D40

42歳の男性。高血圧治療の定期受診のため来院した。2年前から本態性高血圧と診断され、朝1回、降圧薬を服用している。これまでの外来における診察室血圧は130/80mmHg前後であった。家庭血圧の自己測定を始めたところ、早朝起床時に162/96mmHg前後であるという。喫煙歴はない。身長165cm、体重82kg。受診時、脈拍88/分、整。診察室血圧128/78mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。
今後の対応として適切でないのはどれか。
降圧薬の内服状況を再確認する。
降圧薬の追加や投与時間の変更を検討する。
定期的に高血圧に伴う臓器障害を評価する。
24時間自由行動下血圧〈ABPM〉を測定する。
血圧測定を降圧薬の内服後に変更するよう指導する。

解答: e

108D40の解説

早朝起床時に162/96mmHg前後であるというのに、診察室血圧は130/80mmHg前後と低めである。朝1回の降圧薬内服、とのことでそのタイミングや服薬量の調整が必要そうだ。また、仮面高血圧も考えたい。
a 就寝前の降圧薬服用で早朝血圧を抑制できる可能性がある。
b 上記のように、服薬量やタイミングを再検討する必要がある。
c 血圧のコントロールが悪い患者では全身臓器障害の進行が早い。定期的な評価が重要。
d 自宅での血圧変動ももう少し仔細に知りたいところである。
e 誤り。降圧薬の内服後に血圧測定をしても、コントロールされた良好な値が得られるのみで情報量に乏しい。

正答率:89%

テーマ:早朝高血圧を呈する患者への対応

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