108D29

32歳の女性。未経妊。挙児希望を主訴に来院した。29歳時に結婚し避妊はしていない。不正性器出血はない。初経12歳。月経周期40~90日、不整。身長160cm、体重70kg。内診で子宮は正常大で付属器を触知しない。卵巣の経腟超音波像を別に示す。
この患者の不妊症の検査として有用性が低いのはどれか。
夫の精液検査
基礎体温の測定
プロゲステロン試験
血中LH、FSHの測定
血中テストステロンの測定

解答: c

108D29の解説

身長160cm、体重70kg(→BMI 27.3)という肥満がみられる女性であり、卵巣の経腟超音波像にてネックレスサインがみられている。多嚢胞性卵巣症候群〈PCOS〉の診断。ここまでは平易なのだが、選択肢を絞り込むのが難しい。
a △。PCOSと分かっている以上、夫の精液検査は不要に思える。が、PCOS患者であっても妊娠をする事例は多々あり、夫の精液不足が原因の可能性はゼロとは言えない。行っておいても間違い、とまでは言えないレベル。
b 基礎体温を測定し、一相性か二相性かを調べたい。排卵の有無も推測できる。
c 誤り。プロゲステロン試験は無月経に対する試験である。本患者は「月経周期40~90日、不整」とあり、月経は存在するため、プロゲステロン投与により消退出血を示しても意味がない。
d・e PCOSの確定診断に必要な項目。

正答率:55%

テーマ:多嚢胞性卵巣症候群〈PCOS〉の検査

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