108C27

現病歴:5日前から咳が出るようになった。2日前から咳をすると胸の痛みを感じるようになった。今朝から38.2℃の発熱を認めたため受診した。
既往歴:特記すべきことはない。アレルギー歴はない。
生活歴:喫煙歴はない。
現 症:意識は清明。身長152cm、体重48kg。体温38.4℃。脈拍84/分、整。血圧136/82mmHg。呼吸数24/分。SpO2 94%(room air)。心音に異常を認めない。右背部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球410万、Hb 13.1g/dL、Ht 38%、白血球10,700(桿状核好中球33%、分葉核好中球45%、好酸球1%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球15%)、血小板20万。血液生化学所見:尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸3.8mg/dL、血糖108mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.7mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 9.0mg/dL。胸部エックス線写真で心胸郭比48%、右の中肺野と肺門部に浸潤影を認める。喀痰のGram染色標本を別に示す。
抗菌薬として第一選択となるのはどれか。
ペニシリン系
カルバペネム系
マクロライド系
ニューキノロン系
アミノグリコシド系

解答: a

108C27の解説

主訴・身体所見・エックス線画像の情報より肺炎の診断は難くない。喀痰のGram染色標本にてグラム陽性の双球菌を認めており、肺炎球菌による肺炎が考えられる。
a 正しい。肺炎球菌性肺炎の第一選択薬。
b 広域スペクトラムをもつ抗菌薬。起炎菌が判明している以上、用いる局面とはいえない。
c マイコプラズマ・クラミジア・レジオネラなどの非定型肺炎に有効。
d 一部の肺炎にも有効であるが、抗酸菌や尿路感染にも有効。起炎菌が判明している以上、用いる局面とはいえない。
e グラム陰性桿菌感染症の治療に有効。

正答率:96%

テーマ:【長文2/2】肺炎球菌性肺炎の第一選択抗菌薬

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