108B49

25歳の男性。尿量増加を主訴に来院した。1か月前から排尿回数と尿量との増加に気付いていた。口渇があり飲水量は多く夜間も頻尿であるという。常用薬はない。身長168cm、体重58kg。体温36.5℃。脈拍84/分、整。血圧110/68mmHg。眼瞼結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。1日尿量3,500ml。尿所見:比重1.004、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、ケトン体(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球8,300、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン3.9g/dL、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸6.9mg/dL、血糖98mg/dL、HbA1c 5.8%(基準4.6~6.2)、総コレステロール180mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 108mEq/L、Ca 9.2mg/dL、P 3.4mg/dL。CRP 0.1mg/dL。
診断のために必要な検査はどれか。2つ選べ
頭部MRI
水制限試験
排尿時膀胱尿道造影
腎血流シンチグラフィ
アンモニウム負荷試験

解答: a,b

108B49の解説

排尿回数と尿量との増加、口渇があることから尿崩症の鑑別となる。「夜間も頻尿」とのことで、心因性多飲は否定的。
a 正しい。頭部MRIのT1強調像にて下垂体後葉の高信号が消失していれば、中枢性尿崩症が考えられる。
b 正しい。水制限試験(あるいは高張食塩水負荷)によっても尿が濃くならない(うすいまま)であることを示す。
c 膀胱尿管逆流に有効。
d 腎梗塞に有効。
e 尿細管性アシドーシスに有効。

正答率:93%

テーマ:尿崩症の診断に必要な検査

フォーラムへ投稿

関連トピック