107I76

72歳の男性。2日前に急性心筋梗塞のため入院し、緊急の経皮的冠動脈インターベンションを受けた。術後の経過は良好であり、今朝は食事を全量摂取した。午前中に冠動脈疾患集中治療室〈CCU〉から一般病棟に移る予定であった。主治医の回診時、脈拍92/分、整、血圧128/72mmHg、SpO2 98%(room air)であった。主治医と会話中に患者が突然胸部不快感を訴え、その直後に意識を消失した。呼びかけに反応がなく、頸動脈の拍動を触知しない。この時のモニター心電図を別に示す。
直ちに行うべきなのはどれか。2つ選べ
胸骨圧迫
リドカインの静脈内投与
体外式ペースメーカの留置
電気的除細動(電気ショック)
緊急冠動脈インターベンション

解答: a,d

107I76の解説

経皮的冠動脈インターベンションを実施した2日後、突然胸部不快感が出現している。心電図では心室頻拍〈VT〉がみられている。頸動脈の拍動を触知しておらず、無脈性VTの診断となる。
a 正しい。直ちに胸骨圧迫を開始する。
b リドカインはVTに有効ではあるも、薬剤の準備や血管の確保などで時間がかかる。その間に患者を失ってしまう可能性も高いため、直ちに行うべきではない。
c・e 無脈性VTに無効であるし、そもそも準備に時間がかかりすぎる。
d 正しい。無脈性VTは電気的除細動(電気ショック)の適応となる。

正答率:88%

テーマ:無脈性心室頻拍〈VT〉に直ちに行うべきこと

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