107I71

40歳の女性。皮疹と全身倦怠感とを主訴に来院した。3か月前から顔面、両肘および両手に皮疹が出現した。2週前から四肢の脱力、筋肉痛および全身倦怠感を認めた。意識は清明。身長158cm、体重52kg。体温37.2℃。脈拍72/分、整。血圧120/84mmHg。呼吸数28/分。赤沈38mm/1時間。血液所見:赤血球420万、Hb 11.5g/dL、Ht 40%、白血球4,700、血小板28万。血液生化学所見:CK 1,404U/L(基準30~140)。免疫学所見:CRP 0.4mg/dL、抗核抗体80倍(基準20以下)。顔面と手の写真(A、B)を別に示す。
この疾患で注意すべき合併症はどれか。
ぶどう膜炎
間質性腎炎
間質性肺炎
虚血性心筋症
自己免疫性肝炎

解答: c

107I71の解説

中年女性の四肢脱力・筋肉痛・全身倦怠感。CKが高度上昇していることから、筋原性疾患を考えたい。画像Aでは上眼瞼部のヘリオトロープ疹が、画像BではGottron徴候がみられる。抗核抗体の上昇と合わせ、皮膚筋炎の診断となる。
a ぶどう膜炎はBehcet病やサルコイドーシスでみる。
b 間質性腎炎はSjogren症候群〈SS〉でみる。
c 正しい。皮膚筋炎では間質性肺炎を合併する。本患者で呼吸数が28/分と頻回なのも、それが原因かもしれない。
d 虚血性心筋症は高血圧症や糖尿病でみる。
e 自己免疫性肝炎は慢性甲状腺炎〈橋本病〉やSS、全身性エリテマトーデス〈SLE〉でみる。

正答率:86%

テーマ:皮膚筋炎〈DM〉で注意すべき合併症

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