107I62

68歳の女性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。5日前から発熱、咳および喀痰がみられ、昨日から倦怠感が強くなったため受診した。胸部エックス線写真で両側下肺野に浸潤影を認め、急性肺炎と診断された。入院時、意識は清明。身長158cm、体重46kg。体温38.3℃。脈拍88/分、整。血圧108/64mmHg。呼吸数24/分。SpO2 96%(room air)。皮膚と粘膜とに明らかな出血傾向を認めない。両側下肺にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球390万、Hb 11.4g/dL、Ht 37%、白血球18,000(桿状核好中球8%、分葉核好中球80%、リンパ球12%)、血小板6.3万、PT 68%(基準80~120)、APTT 48秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン130mg/dL(基準200~400)、血清FDP 60μg/mL(基準10以下)。CRP 21mg/dL。
抗菌薬の投与とともに行う処置で適切なのはどれか。
気管挿管
血小板輸血
赤血球輸血
抗DIC療法
G-CSFの投与

解答: d

107I62の解説

急性肺炎の診断されているが、血小板低下、PT・APTTの延長があり雲行きが怪しい。フィブリノゲン低値とFDP高値と合わせ、播種性血管内凝固〈DIC〉と考えられる。体温>38℃、呼吸数>20/分、白血球数>12,000であり、CRP高値と合わせて敗血症があるため、敗血症を背景として起きたDICである。
a room airでSpO2が96%であるため、気管挿管が必要な状況とは思えない。
b 血小板6.3万は確かに低値だが、血小板輸血が必要なほどの低値(2万など)ではない。
c Hb 11.4g/dLと10を保っており、赤血球輸血は不要。
d 正しい。抗DIC療法が有効。
e G-CSF投与は顆粒球減少症に有効。

正答率:92%

テーマ:播種性血管内凝固〈DIC〉の処置

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