107I57

58歳の男性。心窩部鈍痛を主訴に来院した。2か月前から時々心窩部に鈍痛があったが、食事との関係は特になかった。既往歴に特記すべきことはない。身体所見に異常を認めない。血液所見:赤血球326万、Hb 11.5g/dL、Ht 35%、白血球5,200、血小板19万。その他の血液検査で異常を認めない。上部消化管内視鏡像を別に示す。病変部からの内視鏡下生検組織で腺癌と診断された。胸腹部CTで転移を認めない。
治療として適切なのはどれか。
胃切除術
放射線治療
レーザー焼灼術
ホルモン補充療法
内視鏡的粘膜切除術

解答: a

107I57の解説

腺癌の診断はすでについている。画像では周堤と潰瘍とを伴う病変が見られ、2型進行胃癌と考えられる。早期胃癌でもみられうる棍棒様変化が癒合しているのも、進行の目安となる。
a 正しい。胸腹部CTで転移を認めていないため、胃切除術が適応と考えられる。
b 腺癌は放射線治療に対する感受性が低く、切除が可能と考えられる現段階では不要である。
c・d 一般的に胃癌の治療としては用いられていない。
e 内視鏡的粘膜切除術〈EMR〉は潰瘍形成のない粘膜内癌(すなわち早期癌)に適応となる。

正答率:84%

テーマ:胃腺癌の治療

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