107H23

33歳の女性。不安感、不眠および頭重感を主訴に来院した。初診時、外来担当医は、患者に対して抗不安薬であるジアゼパム2mg、1日3回の内服処方のつもりで処方箋を交付した。2週後、患者によると不眠と頭痛とは軽減したが、日中の眠気が強くふらつきが出るという。電子カルテ上の履歴を確認したところ、ジアゼパムが1回2mgではなく5mg、合計1日15mgで処方箋が交付されていた。担当医は1日15mgまでは保険診療での処方が可能であることはあらかじめ知っている。
担当医がまず患者にかける言葉として適切なのはどれか。
「薬がよく効いているようなので転倒に注意してください」
「前回に調剤の段階で誤って薬の量が多く出てしまったようです」
「あなたには少し量が多すぎたかもしれないので薬を減量します」
「あなたにはこの薬が合わないようですから種類を変えてみましょう」
「前回に処方した薬の量が誤っていました。申し訳ございませんでした」

解答: e

107H23の解説

ジアゼパムの処方量ミスで患者に日中の眠気・ふらつきが生じてしまっている。アクシデントに該当する医療過誤であり、誠意を持った対応が望まれる。
a・c・d 自身のミスを隠蔽する発言であり、医療倫理面から望ましくない。
b 自身のミスを調剤(すなわち薬剤師)のミスに転化しており、医療倫理面から望ましくない。
e 正しい。まずはミスを認め、誠意を持って謝罪することが重要となる。

正答率:86%

テーマ:薬剤投与量を誤った際の対応

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