107E52

28歳の男性。上腹部痛を主訴に来院した。10日前から心窩部に痛みを自覚するようになった。痛みは空腹時に出現することが多く、食後に軽減していた。既往歴に特記すべきことはない。身長168cm、体重56kg。体温36.2℃。脈拍64/分、整。血圧122/62mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球460万、Hb 13.9g/dL、Ht 44%、白血球8,300、血小板24万。血液生化学所見:アルブミン4.1g/dL、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 22U/L、ALT 32U/L、LD 286U/L(基準176~353)、ALP 221U/L(基準115~359)、Na 136mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 102mEq/L。十二指腸球部の内視鏡像を別に示す。
治療方針の決定に必要な検査はどれか。
便潜血反応
蛋白漏出試験
尿素呼気試験
血清CEA測定
ツベルクリン反応

解答: c

107E52の解説

若い男性の空腹時に出現する心窩部痛。これだけでも十二指腸潰瘍を考えるが、画像にて実際に十二指腸球部に潰瘍がみられていることから確定診断となる。
a 潰瘍由来の出血があった場合、便潜血反応をみるのは有用である。が、本患者ではBUNの高値がなく、かつHbも保たれているため出血は考えにくい。
b 十二指腸潰瘍で蛋白漏出はきたさない。
c 正しい。尿素呼気試験はHelicobacter pylori〈HP〉感染を調べる検査。HPは十二指腸潰瘍形成のリスクとなる。
d 胃癌にて血清CEAが上昇する。
e ツベルクリン反応はBCG接種や結核感染で陽性となる。

正答率:89%

テーマ:十二指腸潰瘍の治療方針の決定に必要な検査

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