107E51

32歳の男性。意識障害のため搬入された。24歳時に入社時の健康診断で高血糖を指摘されていたがそのままにしていた。6か月前から口渇と多尿とがあり、ジュースやスポーツドリンクをよく飲むようになった。最大体重は1年前で95kgであった。1か月前から体重が激減し、全身倦怠感を自覚するようになった。今朝からぐったりとなり、夕方になって家族が救急車を要請した。父と兄とが糖尿病である。意識レベルはJCSII-20。身長176cm、体重84kg。体温36.2℃。脈拍96/分、整。血圧132/88mmHg。呼吸数22/分。SpO2 100%(鼻カニューラ4ℓ/分酸素投与下)。口唇と舌とが乾燥している。尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体3+。血液所見:赤血球510万、Hb 15.6g/dL、Ht 49%、白血球10,300、血小板21万。血液生化学所見:血糖532mg/dL、総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.0g/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸7.9mg/dL、総コレステロール286mg/dL、トリグリセリド390mg/dL、AST 58U/L、ALT 64U/L。
この患者で考えられるのはどれか。
尿量減少
低カリウム血症
抗GAD抗体陽性
代謝性アシドーシス
アニオンギャップ正常

解答: d

107E51の解説

尿中ケトン体3+、血糖532mg/dLより糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の診断。肥満があり、「ジュースやスポーツドリンクをよく飲む」という記載から2型糖尿病に由来する、ソフトドリンクケトアシドーシスが考えやすい。
a 浸透圧利尿により尿量は減少しない。
b アシドーシスの存在下では高カリウム血症となる。
c 1型糖尿病のときに抗GAD抗体が陽性となる。
d 正しい。DKAでは代謝性アシドーシスがみられる。
e ケトン体上昇によりアニオンギャップは上昇する。

正答率:90%

テーマ:糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉でみられるもの

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