107D60

52歳の男性。事務職。下肢の浮腫を主訴に来院した。12年前に糖尿病を発症しかかりつけ医で治療を続けてきたが、腎機能低下が出現したため紹介され受診した。仕事はデスクワーク主体で運動習慣はない。アンジオテンシンII受容体拮抗薬とループ利尿薬とを処方されている。身長168cm、体重70kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧150/92mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に軽度の浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血1+。血液所見:赤血球320万、Hb 8.5g/dL、Ht 29%、白血球5,600、血小板25万。血液生化学所見:空腹時血糖136mg/dL、HbA1c 7.2%(基準4.6~6.2)、総蛋白6.1g/dL、アルブミン2.9g/dL、尿素窒素37mg/dL、クレアチニン2.2mg/dL、尿酸7.8mg/dL、Na 135mEq/L、K 5.4mEq/L、Cl 110mEq/L。
この患者の食事療法として適切なのはどれか。
総摂取エネルギー量
(kcal/日)
食塩摂取量
(g/日)
蛋白質摂取量
(g/日)
1,600 3 20
1,600 6 40
2,100 3 20
2,100 6 40
2,600 3 20
2,600 6 40

解答: b

107D60の解説

身長168cm、体重70kgよりBMIは24.8(標準体重は1.68×1.68×22≒62.1kg)。
(1) 総摂取エネルギー量:仕事はデスクワーク主体であり、糖尿病があることから、標準体重に25kcalをかけて算出する。62.1×25≒1552kcalである。
(2) 食塩摂取量:血圧150/92mmHgと高値なため、6g/日以下とする。
(3) 蛋白摂取量:クレアチニン2.2mg/dlと腎障害が出現しているため、低蛋白(具体的には0.6~0.8g/標準体重/日)とする。ゆえに、62.1×0.6~0.8≒37~50g/日とする。
a~e 以上をすべて満たすのはbである。

正答率:67%

テーマ:糖尿病性腎症の食事療法

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