107D59

40歳の女性。自転車で走行中に転倒し右の側腹部を強打し搬入された。激しい右背部痛を訴えている。意識は清明。体温37.5℃。脈拍120/分、整。血圧84/56mmHg。呼吸数22/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。右の側腹部に発赤と圧痛とを認める。尿所見で肉眼的血尿を認める。血液所見:赤血球312万、Hb 9.8g/dL、Ht 31%、白血球12,000、血小板15万。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL、アルブミン3.2g/dL、尿素窒素25mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、AST 320U/L、ALT 90U/L、CK 8,400U/L(基準40~200)、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 108mEq/L。腹部造影CTを別に示す。今後行う可能性のある対応を患者と駆けつけた家族とに説明することになった。
説明する内容として適切なのはどれか。3つ選べ
輸血
腹腔穿刺
右腎摘出術
右腎瘻造設術
右腎動脈塞栓術

解答: a,c,e

107D59の解説

自転車による転倒事故。画像にて右腎の造影不良と周囲の血腫がみられるため、外傷性の腎損傷を考える。問題なのは血圧が低下し、ショック状態となっていることである。Hbも10g/dlを切っており、出血量の多さを物語っている。
a 正しい。上記のように出血が多いため、輸血が必要である。
b 腎臓は後腹膜臓器。腹腔穿刺の意味はない。
c 正しい。出血が止まらない場合、最終手段として考慮されうる。
d 水腎症を呈した場合に有効である。
e 正しい。経カテーテル的に塞栓術を行い、止血を試みる。

正答率:70%

テーマ:腎外傷に今後行う可能性のある対応の説明

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