107D30

82歳の女性。胸部絞扼感を主訴に来院した。1か月前から階段昇降時に胸部絞扼感があり受診した。1人暮らし。生来健康である。ADLは自立している。脈拍76/分、整。血圧110/70mmHg。胸骨右縁第2肋間に収縮期雑音を聴取する。心電図で左室肥大所見を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比54%。連続波ドプラ法で記録した左室駆出血流速パターンを別に示す。冠動脈造影では冠動脈に有意な狭窄を認めなかった。
治療方針として適切なのはどれか。
経過観察
ジギタリスの投与
経皮的冠動脈形成術
経皮的バルーン大動脈弁拡張術
大動脈弁置換術

解答: e

107D30の解説

胸骨右縁第2肋間に収縮期雑音を聴取しており、大動脈弁狭窄症〈AS〉を考える。画像では左室駆出血流速度が最大で4m/秒を超えており、高度ASと診断される。
a 有症状であり、経過観察は不適当。
b 血圧と脈拍とは保たれており、現時点でジギタリスを投与する必要性は低い。
c 冠動脈に有意な狭窄は認めておらず、経皮的冠動脈形成術は不適当。
d 対症療法として施行されることはあるが、「ADLは自立している」という記載より手術可能と判断する。
e 正しい。高度ASには大動脈弁置換術が有効。

正答率:85%

テーマ:大動脈弁狭窄症〈AS〉の治療方針

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