107C23

20歳の男性。食欲低下を主訴に来院した。5日前から全身倦怠感を自覚するようになり、2日前から悪心と嘔吐とが出現した。意識は清明。体温36.7℃。脈拍84/分、整。眼球結膜に黄染を認める。血液所見:赤血球451万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球3,600、血小板21万。血液生化学所見:総ビリルビン5.0mg/dL、AST 2,232U/L、ALT 2,958U/L、LD 981U/L(基準176~353)、ALP 808U/L(基準115~359)。
この時点の重症度の評価に必要な血液検査項目はどれか。
CRP
アミラーゼ
ナトリウム
プロトロンビン時間
α-フェトプロテイン〈AFP〉

解答: d

107C23の解説

黄疸があり、AST, ALTが著増しており、急性肝炎である。20歳と若いため、ウイルス性肝炎または薬剤性肝炎が考えやすい。
a 炎症によりCRPは上昇するが、急性肝炎の重症度とは関係がない。
b 膵の障害でアミラーゼが上昇するが、急性肝炎の重症度評価には用いない。
c 血圧の記載がないため不明だが、食欲低下や嘔吐により血清ナトリウム値は低下している可能性が高い。が、これも急性肝炎の重症度とは関係がない。
d 正しい。プロトロンビン時間は肝合成能の指標となるため、重症度評価に必要である。また、劇症肝炎の診断基準にも含まれている。
e α-フェトプロテイン〈AFP〉は肝細胞癌で上昇する。急性肝炎単独では上昇しない。

正答率:91%

テーマ:急性肝炎の重症度評価に必要な血液検査項目

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