107B42

32歳の女性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。以下に外来での医師と患者との会話を示す。
医師「診断は風邪でいいと思います。それでは、お薬を出しておきますね」
患者「あの、ちょっと相談したいことがあるのですが」
医師「どうされたのですか」
患者「実は、来月結婚することになっているのですが、遺伝病の身内がいるので、ちょっと心配なんです」
医師「もう少し教えていただけますか」
患者「はい。母方の祖父が大腸癌で亡くなっていて、母方の2人の叔父が家族性腺腫性ポリポーシスといわれて手術を受けているんです。この病気は、原因遺伝子を持っていれば、ほぼ全員が若いうちに発症するらしいのですが、将来私に子供ができた場合、遺伝する可能性はあるのでしょうか」
医師「なるほど。そのことを心配されているのですね。ところで、ご両親はお元気ですか」
患者「はい。父と母は今年で70歳になりますが、元気で手術を受けたこともありません」
医師「今度結婚されるお相手の方の家系で同じ病気の方はいらっしゃいますか」
患者「いえ、おりません」
この患者の子供に家族性腺腫性ポリポーシスが発症する確率はどれか。
男0%、女0%
男12.5%、女12.5%
男25%、女0%
男25%、女25%
男50%、女12.5%

解答: a

107B42の解説

家族性腺腫性ポリポーシスは常染色体優性〈AD〉の遺伝形式をとる(このことは患者の3番目の発言からも読み取れる)。父母(70歳)が元気であることから、両親は遺伝子をもっていないと考えられる。ゆえに、この患者にも原因遺伝子は存在しない。
a~e 以上より、aが正しい。この患者にもこの患者の子供にも発症はしない。

正答率:88%

テーマ:家族性腺腫性ポリポーシス〈FAP〉が発症する確率の算出(計算問題)

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