106I72

78歳の女性。左耳の痛みと左顔面の動かしにくさとを主訴に来院した。今朝から左難聴、耳鳴および回転性めまいを自覚している。顔面の写真(A)と口腔内の写真(B)とを別に示す。
副腎皮膚ステロイドと併用する治療薬として適切なのはどれか。
ジドブジン〈AZT〉
ミコナゾール
アシクロビル
ガンシクロビル
バンコマイシン塩酸塩

解答: c

106I72の解説

末梢性の顔面神経麻痺とその同側の内耳症状、同側の疱疹でRamsay Hunt症候群が分かれば治療薬は容易であろう。耳介周囲の皮疹で覚えている学生も多いかと思うが口腔内の粘膜疹もよく見られるため注意が必要である。なお、副腎皮質ステロイドはBell麻痺に対しての治療薬である。
a 逆転写酵素阻害薬でありHIVの治療薬として知られる。
b アゾール系の抗真菌薬である。
c 正しい。Ramsay Hunt症候群の原因は水痘帯状疱疹ウイルス〈VZV〉である。アシクロビルやバラシクロビルなどの抗ヘルペスウイルス薬が有効。
d 同じヘルペスウイルスでもサイトメガロウイルス〈CMV〉に効果がある。
e メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉に効果がある。

正答率:89%

テーマ:Ramsay Hunt症候群の治療薬

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