106I48

3歳の男児。右腕が動かないことを心配した母親に伴われて来院した。母親がつないでいる児の右手を急に引っ張り上げた直後から、児は右上肢を下垂したまま動かさなくなったという。右手指の自動運動は可能である。歩行に異常を認めない。
障害されている部位として最も考えられるのはどれか。
頸椎
鎖骨
肩関節
肘関節
手関節

解答: d

106I48の解説

小児の前腕を「急に引っ張り上げた」後、上肢を弛緩性に「下垂したまま動かさなく」なるという症状は肘内障の典型である。
a 頸椎や頸髄が損傷されれば、腕だけでなく重篤な症状がみられる。
b 鎖骨骨折は外力によって生じる。腕神経叢損傷を合併することがあるがその場合感覚低下や手指運動の障害がみられる。
c コンタクトスポーツでは肩関節の脱臼がみられる。鎖骨遠位端が突出するため外観が特徴的である。
d 正しい。橈骨骨頭が輪状靭帯から亜脱臼した状態。整復で改善するが再発も多い。
e 手関節の障害では上肢を下垂することはない。

正答率:93%

テーマ:肘内障で障害されている部位

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