106G53

54歳の女性。眼の違和感、のどの灼熱感および強い咳を主訴に来院した。風呂場でカビと汚れとを除去するために酸性洗剤をスプレーし、直後に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする洗剤をスプレーしたところ、眼の症状に続いてのどの症状が出現し、咳が止まらなくなったため救急外来を受診した。意識は清明。脈拍84/分、整。血圧132/74mmHg。流涙が著しい。眼球結膜に充血を認める。
この患者の症状の原因物質として最も考えられるのはどれか。
塩素
硫化水素
一酸化炭素
二酸化硫黄
二酸化窒素

解答: a

106G53の解説

次亜塩素酸含有の洗剤はアルカリ性に調整されており、酸にさらされると急激に分解され塩素ガスが発生する。本症例は塩素ガスによる粘膜障害である。
a 正しい。上記の通り。
b 硫化水素は自殺目的で発生させられることがあり、卵が腐ったような臭いが特徴である。その後、109D53で出題されている。
c 一酸化炭素は冬場、締め切った部屋でストーブ等を点けたままにして発生することがある。無臭であり、中毒者は顔面紅潮となる。
d・e これらは酸性雨の原因となる。

正答率:72%

テーマ:酸性洗剤と次亜塩素酸ナトリウムを混合して生じた有毒ガスの原因物質

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