106D50

48歳の男性。事務職。細かい文字が見えにくくなったことを主訴に来院した。1年前から書類の文字や数字が読みづらくなり、3か月前からパソコン画面の字も見えにくくなったという。視力は右1.0(1.0×+1.50D)、左1.0(1.0×+1.50D)。眼圧は右18mmHg、左18mmHg。眼位は正位で、眼球運動に異常を認めない。細隙灯顕微鏡検査と眼底検査とで明らかな異常を認めない。
次に行う検査として適切なのはどれか。
調節検査
仮性同色表
動的量的視野
視覚誘発電位
Hess赤緑試験

解答: a

106D50の解説

細かい文字が見えにくいという主訴だが、視力自体は両眼ともに正常である。その他の病的な所見はなく、老視が考えやすい。
a 正しい。近くでものを見る際に、どの程度水晶体の厚みを変化させてピント調節をできるかを調べる検査。年齢とともに近くへの調節力が失われていく。
b 色覚異常者には判別がしにくい色を用いて、数字や線が描かれているもの。実際に病院内やインターネットで見てみるとよい。石原式が有名。老視には関係がない。
c ゴールドマン視野計を用いる。ドーム状の器械の中でどの点から光を認識できるかを調べるもので、広い範囲の視野がわかる。対して、静的視野検査では中心の狭い視野を詳細に調べる。いずれも視野障害の検査に用いる。
d 視覚誘発電位〈VEP〉は、「誘発電位」という名前からも想像できるように視覚刺激による大脳皮質の興奮を検知するものである。
e 赤緑という言葉が入っているが、眼球運動の検査である。赤色と緑色の光を用いるためこの言葉が使われている。動眼神経麻痺や吹き抜け骨折による下直筋の嵌頓などでその状態を評価するために使われる。

正答率:91%

テーマ:老視患者に行う検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし