106D49

32歳の女性。右頸部の腫瘤を主訴に来院した。10年前から腫瘤に気付いていた。腫瘤は徐々に増大傾向にあるという。腫瘤の表面は平滑、可動性良好で、圧痛を認めない。顔面神経麻痺を認めない。頭頸部MRIのT1強調軸位断像を別に示す。
診断として最も考えられるのはどれか。
側頸嚢胞
顎下腺腫瘍
甲状腺腫瘍
耳下腺腫瘍
正中頸嚢胞

解答: d

106D49の解説

耳介内側のやや高信号の組織が耳下腺である。表面平滑、可動性良好であり、耳下腺内にあるにもかかわらず顔面神経麻痺を認めない、などの問題文中の所見から、悪性疾患は否定的だろう。
a 側頸嚢胞は、胎生期の鰓裂が閉鎖せずに遺残したものである。問題文の所見としては一致するが、側頸嚢胞は胸鎖乳突筋付近に認めるのでCTの位置から不正解となる。
b これも、問題文の所見としては一致するが、CTの位置から不正解となる。
c 甲状腺腫瘍は前頸部でCTのスライスでは頸椎や気管や鎖骨が見えてくる辺りである。
d 正しい。耳下腺は外耳孔の前下方に存在し、画像とも一致している。なお、下方は下顎骨の方まで伸びており、縦長な印象を持ってほしい。
e 甲状舌管の遺残である。名前から考えても間違い。

正答率:60%

テーマ:耳下腺腫瘍の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし