106A35

83歳の女性。両上腕の痛みと発熱とを主訴に来院した。3週前から両上腕と両肩とに疼痛とこわばりとが出現した。2週前からは37℃台の発熱を伴うようになった。3日前から大腿にも疼痛がひろがり昼過ぎまで布団から起き上がれなくなったという。体重が3週間で3kg減少した。体温37.5℃。脈拍80/分、整。血圧138/72mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。疼痛のため腕を挙上できない。両側の上腕に圧痛を認める。関節に発赤と腫脹とを認めない。筋力は疼痛とこわばりのため正確に評価できない。赤沈78mm/1時間。血液所見:赤血球328万、Hb 9.9g/dL、Ht 30%、白血球6,300、血小板39万。血液生化学所見:総蛋白6.0g/dL、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、AST 24U/L、ALT 22U/L、LD 220U/L(基準176~353)、CK 31U/L(基準30~140)、Na 138mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 102mEq/L。
診断として最も考えられるのはどれか。
偽痛風
多発性筋炎
関節リウマチ
大動脈炎症候群
リウマチ性多発筋痛症

解答: e

106A35の解説

両上肢と両肩の痛みとこわばりを主訴に来院した高齢女性。発熱や赤沈亢進もあり、何らかの膠原病を疑う。筋肉痛がメインなのに、CKが上がっていないことがポイント。リウマチ性多発筋痛症〈PMR〉を第一に疑う。
a 偽通風の症状は関節痛のみであり、筋肉痛はみられない。
b 多発筋炎であれば筋組織が壊れるので、CKが上昇する。
c 関節リウマチなら関節痛や腫脹がみられる。
d 筋肉痛はみられないので誤り。
e 正しい。上記の通り。

正答率:87%

テーマ:リウマチ性多発筋痛症〈PMR〉の診断

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