106A28

68歳の女性。咳嗽、喀痰および全身倦怠感を主訴に来院した。2か月前から咳嗽と喀痰とがあり、自宅で経過をみていたが改善しなかった。1週前から37℃台の発熱と全身倦怠感とを伴うようになった。自宅近くの診療所で肺炎と診断されてセフェム系抗菌薬を投与されたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。3年前から糖尿病腎症による腎不全で透析中である。診療所で撮影されて患者が持参した胸部エックス線写真を別に示す。
外来でまず行うべきなのはどれか。
喀痰のGram染色を行う。
胸部単純CTを予約する。
喀痰細胞診検査を依頼する。
医療従事者が手袋を装着する。
患者にサージカルマスクを装着させる。

解答: e

106A28の解説

2か月続く咳嗽があり、抗菌薬が奏功せずに来院した高齢女性。糖尿病かつ透析患者であり、易感染性の背景がある。画像では左中肺野に浸潤影が見られる。右上〜中肺野には結節影を指摘可能。結核を疑い、まずは感染対策を行う。
a まずは感染対策である。また、結核菌はGram染色で染まりにくいので不適である。
b CTでは詳細な情報が得られるが、上記の通りまずは感染対策を行う。
c 喀痰細胞診検査は肺癌を調べる際に行う。鑑別としては良いが、まずは感染対策を行う。
d 手袋装着も重要ではあるが空気感染を防止することはできない。
e 正しい。結核は空気感染するため、患者にはサージカルマスクを、医療者や家族にはN95マスクを装着させる。

正答率:74%

テーマ:肺結核症患者に外来でまず行うべきこと

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