105I73

59歳の男性。鼻出血と膿性鼻漏とを主訴に来院した。1か月前から著しい鼻痛が続いている。鼻腔内粘膜の発赤とびらんとを認める。血液所見:赤血球408万、Hb 12.1g/dL、Ht 34%、白血球8,300、血小板35万。免疫学所見:CRP 16.8mg/dL、PR3-ANCA陽性。副鼻腔単純CTで鼻腔から上顎洞、篩骨洞、眼窩内に及ぶ腫瘤を認める。鼻内腫瘤の生検で壊死組織、炎症細胞浸潤および多核巨細胞を認める。
確定診断のために精査が必要な臓器はどれか。2つ選べ

解答: b,e

105I73の解説

中高年男性の鼻トラブル。「鼻出血」「膿性鼻漏」「著しい鼻痛」「鼻腔内粘膜の発赤とびらん」などなど、鼻の調子が大層悪いようだ。PR3-ANCA陽性より多発血管炎性肉芽腫症〈GPA〉〈Wegener肉芽腫〉と考えられる。鼻腔から上顎洞、篩骨洞、眼窩内に及ぶ腫瘤があるのは肉芽腫であろう。生検像で多核巨細胞を認めているのも合致する。
a〜e GPAではELK、すなわちEar, Lung, Kidneyの3臓器に症状がみられやすい(ここでいうEarは耳に限局せず、上気道全体を含む)。ゆえにbとeが正しい。

正答率:90%

テーマ:多発血管炎性肉芽腫症〈GPA〉〈Wegener肉芽腫〉の症状

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