105I55

27歳の男性。腹痛と発疹とを主訴に来院した。3日前から腹痛と両下肢の赤い発疹とを生じた。両下腿から足背に浸潤を触れ、硝子圧試験で消退しない発疹が多発している。皮膚の病理組織学的検索で真皮上層に血管周囲性の炎症性細胞浸潤を認める。同時に蛍光抗体直接法を施行したところ免疫グロブリンの沈着を認める。下腿の写真(A)と皮膚生検組織の蛍光抗体直接法の写真(B)とを別に示す。
沈着している免疫グロブリンはどれか。
IgA
IgD
IgE
IgG
IgM

解答: a

105I55の解説

腹痛と発疹とが主訴の若年男性である。この時点でIgA 血管炎〈シェーンライン・ヘノッホ紫斑病〉を想起したい。硝子圧試験で消退しない発疹であり、紫斑であることが分かる。皮膚の病理組織学的検索で真皮上層に血管周囲性の炎症性細胞浸潤を認めている。Aでは下腿伸側の広範囲に紫斑をみとめ、Bでは血管壁に免疫グロ
ブリンの沈着を認めることから、上記診断でよいであろう。
a 正しい。シェーンライン・ヘノッホ紫斑病ではIgAが沈着している。
b~e IgA以外の沈着は認めない。

正答率:90%

テーマ:IgA血管炎〈Schönlein-Henoch紫斑病〉で沈着する免疫グロブリン

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